Linux Wake On LANで離れた場所のパソコンの電源を入れる

   2013/03/29

スポンサーリンク

Linuxについての記事です。

Wake On LAN

離れた場所にあるパソコンの電源スイッチを押さなくても電源を入れる方法について調べていました。
パソコンの電源を入れるときにWake On LANという機能を使う事で離れた場所から電源を入れる事ができます。
Wake On LANとはマジックパケットという特殊な信号をネットワーク上に流してパソコンに送信をして電源を入れるという機能です。(Wake On LANを使うためにはLANケーブルでルータ等と接続されていないとうまくいかない事が多いようです。)Wake On LANを使うためには、電源を入れる側にマジックパケットを送信する機能が必要です。電源を入れられる側のパソコンにはそれに対応するためのネットワークインターフェースカード(NIC)が搭載されている必要があります。それからBIOSでWake On LANの設定等をするのでBIOSがWake On LANに対応している必要もあります。

ネットワークにマジックパケットを送信してWake On LANで離れた場所のパソコンの電源を入れる

便利な使い方

応用してうまく使えば、VPNの接続をしてWake On LANと組み合わせて使う事が出来れば外出先から自宅のパソコンの電源を入れる事が出来て、さらに自宅のパソコンに保存されているデータを開く事も出来ます。自分はよくこの使い方をして急に必要になった自宅のサーバに保存されているデータを外出先から開いたりしています。用が済んだらSSHやVNCなどで電源を切る操作をしてサーバの電源を付けたままにしていないので電気代の節約にもなります。外出先からパソコンの電源を入れてデータを開いて確認して電源を落とすといった便利な使い方も出来ます。
VPNの接続をしてWake On LANと組み合わせて使う
iPhoneやiPadなどのスマートフォンやタブレット端末からでも対応するアプリがあればパソコンがなくてもできます。

iPhone、iPadからのVPN接続図

BIOSの設定

パソコンのWake On LANの機能を有効にするためにBIOSの設定をします。今回設定をするパソコンはIBM社製のIntelliStation M Pro 9229を使用します。
パソコンの電源を入れるときにF1キーを連打しながらパソコンを起動させてBIOSを表示させます。BIOSの設定画面の起動方法はパソコンのメーカーや機種等によって異なる事があるのでマニュアル等を確認するといいと思います。
BIOSを起動させます。

BIOSを起動して”Startup Options”を選びます。
BIOS

Startup Sequence Optionsを選んで進みます。
Startup Options

Startup Sequence Optionsの画面でパソコンを起動させたときの読み込みをさせるメディアを選択します。
Startup Sequence Options

Primary Startup Sequence
Primary Startup Sequenceはパソコンの電源をスイッチを押していれたときの動作についてです。上から順番にFirst Startup Device、Second Startup Device‥と優先的に読み込みをするメディアを選択していきます。OSが入っているのはハードディスクなので他のメディアを読み込みさせないようにNoneなどで設定をしておきます。

Primary Startup Sequence
First Startup Device IDE CD: HL-DT-ST DVDRAM
Second Startup Device None
Third Startup Device None
Fourth Startup Device HDD(S1) :ハードディスクの番号

WakeOnLan Startup Sequence
Wake On LANの機能を有効にするかしないかを設定できます。
Enabledだと有効になっています。

WakeOnLan Startup Sequence
WakeOnLan Startup Sequence Enabled
First Startup Device None
Second Startup Device None
Third Startup Device HDD(S1) :ハードディスクの番号

ネットワークインターフェースに流れてきたマジックパケットを受信するとパソコンの電源が入ります。次に起動したときにどのドライブからOSを起動するかの優先順位をつけていきます。OSはハードディスクにインストールされているので優先的にハードディスクからOSを読み込みするようにします。設定を変更すればCDドライブからOSを起動する事等も出来るようです。First Startup DeviceとSecond Startup DeviceをNoneにしてThird Startup Deviceにハードディスクのデバイスを設定します。

うまく設定ができないとネットワークからOSを起動しようとしたりしてしまい以下の画面のように”Boot sector error, no operation system installed’などと表示されてOSが見つからないとエラーになってしまいます。

''Boot sector error, no operation system installed'

スポンサーリンク

OSの設定

OSはCentOSをインストールして使っています。
CentOSにWake On LANに対応させるために/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0を編集します。
etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0はネットワークインターフェースの設定をする事が出来ます。

# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0

DEVICE="eth0"
NM_CONTROLLED="yes"
ONBOOT=yes
TYPE=Ethernet
BOOTPROTO=dhcp
DEFROUTE=yes
IPV4_FAILURE_FATAL=no
IPV6INIT=no
NAME="System eth0"
UUID=xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx
HWADDR=XX:XX:XX:XX:XX:XX
PEERDNS=yes
PEERROUTES=yes
ETHTOOL_OPTS="wol g"		 ← ETHTOOL_OPTS="wol g"を付け加える

編集した内容を反映させるためにネットワークの再起動をします。

# /etc/rc.d/init.d/network restart

設定を確認するためにネットワークインターフェースの状態を調べます。

# ethtool eth0
Settings for eth0:
	Supported ports: [ TP ]
	Supported link modes:   10baseT/Half 10baseT/Full
	                        100baseT/Half 100baseT/Full
	                        1000baseT/Half 1000baseT/Full
	Supports auto-negotiation: Yes
	Advertised link modes:  10baseT/Half 10baseT/Full
	                        100baseT/Half 100baseT/Full
	                        1000baseT/Half 1000baseT/Full
	Advertised pause frame use: Symmetric
	Advertised auto-negotiation: Yes
	Speed: 100Mb/s
	Duplex: Full
	Port: Twisted Pair
	PHYAD: 1
	Transceiver: internal
	Auto-negotiation: on
	MDI-X: Unknown
	Supports Wake-on: g		 ← gになっていればWake On LANに対応します。
	Wake-on: g
	Current message level: 0x000000ff (255)
	Link detected: yes

以上で設定は完了です。
後はマジックパケットを送信してOSが起動すれば成功です。

Wake On LANを実際に使う

BUFFALOのルータ
BUFFALOの無線LANルータ等を使用していればWake On LAN機能を持っていてマジックパケットをBUFFALOのルータから送信する事が出来ます。
BUFFALOの無線LANルータの設定画面を開いて”■ユーティリティー機能”の”ネットワークサービス一覧を表示”のボタンをクリックします。

画面が切り替わるとBUFFALOのルータに接続されている端末のMACアドレス情報とホスト名が表示されます。
起動させたいホスト名の右側にあるWOLボタンをクリックするとそのホストに対してマジックパケットを送信してくれます。

Wake On LANボタン

Wake On LANパケットの送信を送信しましたと表示されます。
これで起動できればWake On LANの設定は成功です。
Wake On LANパケットの送信を送信しましたと表示されます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • follow us in feedly

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

*

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。