iPhone6のWi-Fi機能を最大限活かす方法を考えた
iPhoneについての記事です。
iPhone 6、iPhone 6 PlusはWi-Fi機能がグレードアップしてIEEE802.11acもサポートするようになりました。
IEEE802.11acはワイヤレス通信技術「MIMO」(Multi-Input Multi-Output:複数のアンテナでデータを送受信する技術)を搭載した機器同士では理論値6.9Gbpsでの速度で通信します。しかしながら、IEEE802.11ac対応のiPhone6ではアンテナが一つでシングルストリーム通信を行うため、Wi-Fi接続時にベストエフォート433Mbpsの伝送速度での通信になります。それでもiPhone5SよりもWi-Fi通信速度が遥かに向上しています。
iPhone 6 Plus – 技術仕様
iPhone 6 – 技術仕様
この記事ではパワーアップしたiPhoneの高速無線LAN機能を家庭で活用する方法を紹介します。
IEEE802.11acとは何か
米国にあるIEEEという機関が策定を進めている高速無線LANの規格を指します。現在のところIEEE802.11acは策定段階という事でDraft規格となり「IEEE802.11ac (Draft)」としばしば表記されます。
IEEE802.11acは2013年3月から日本において使用可能な状態となりそれまではIEEE802.11 b/g/nの規格が主流で利用されおり、IEEE802.11nでの規格で最大600Mbpsの速度が最大でした。
IEEE802.11acの伝送には5Ghz帯の無線帯域が規定されており最大伝送速度は理論値で6.9Gbpsとされていますが、一般家庭で利用する無線LANルータは1.3Gbpsが主流になりつつあります。
IEEE802.11acの伝送速度を活かすには
iPhoneからインターネットに接続する時に目的の場所まで高速で通信をしなければ意味がありません。そのためには幾つか揃えなければならないものがあります。どれか欠けているとIEEE802.11acの無線高速通信を活かそうとしてもボトルネックになります。
準備
高速通信可能なインターネット回線の契約
伝送速度理論値1Gbpsを提供する通信事業者の固定回線契約が必要になります。下記は一例の通信事業社です。
ハードウェア
固定回線の伝送速度を活かす為の宅内で使用するWi-Fi環境を整える必要があります。
Apple社の製品でIEEE802.11ac対応の無線LANルータはAirMac ExtremeとAirMac TimeCapsuleの2製品です。
IEEE802.11acドラフト規格に準拠しており無線通信の最大伝送速度は1.3Gbpsとしています。
AirMac Extreme 802.11ac – 技術仕様
使用例
下の画像はiPhone6の通信速度をなるべく損なわないようにする為の環境を作った状態のものです。
iPhone6のWi-Fi機能はIEEE802.11acで最大伝送速度が433Mbpsとしています。
iPhoneからWi-FiでIEEE802.11acに対応したAirMac Extreme 802.11acの無線LANルータで接続しています。
AirMac Extreme 802.11acから1Gbps対応のLANケーブル(カテゴリー5e以上)で回線終端装置と繋いでいます。
ここまでの環境の構成が個人ユーザで機器を揃えれば高速通信が可能になる範囲になります。
回線終端装置からインターネットに接続するまでの間には光ファイバーなどの高速通信が可能なケーブルが使われていてこの範囲は「回線事業者」の設備に依存する範囲となっています。
またISPも1Gbpsの通信速度に対応している状態です。
例えばこの状態でWi-Fiルータの無線機能が300Mbpsの速度が限界だとするとiPhoneのIEEE802.11ac機能を活かす事ができず300Mbps以下の速度しかでません。
また、回線事業者がベストエフォート200Mbpsであった場合はそれ以下の通信しかできない状態となります。
ご覧のように速度にこだわって通信環境を整えるにはWi-Fiクライアント、Wi-Fiルータ、LANケーブル、高速通信ケーブル、ISPの要素を全て高速通信に対応させる必要があります。
まとめ
iPhone6のWi-Fi機能を最大限活かすにはネットワーク環境の整備が必要です。
必要なもの
iPhoneの433Mbpsの無線通信を上回るWi-Fiルータ
Wi-Fiルータと回線終端装置を繋ぐカテゴリ5e以上のLANケーブル
高速通信可能な(光ファイバー等)サービスを提供する回線事業者
高速通信が可能なインターネットサービスプロバイダの契約